Pasado manana

あしたはきっと素敵な日ー「あさって」はもっと素敵な日

シマケンモン -蛾と蝶の違いー

     我が家のベランダのトネリコにはシマケンモンが2匹います。

     シマケンモンは蛾の幼虫、大きくなれば蛾になる生き物です。

     

     一週間程前に実家に行った時、大きな黒いアゲハを見たのです。

     種類はわからなかったのですが、小さい時と比べて見ることが少な

     くなってしまった黒いアゲハは、大きくて艶やかで優雅に飛んで

     いました。見つけた時声が出るほど美しく、羽に傷もなく生まれた

     ばかりだったように思いました。

     実家には毎年アゲハが卵を産み羽化させる柚子の木があります。

     アゲハを指に乗せ飛び立つまで眺めたりしたこと思い出しました。

     シマケンモンを見つけたその夜、この黒いアゲハを見た事や柚子の木

     の事を思い出したりして、ベランダのトネリコがうっすら視線に入る

     布団でゴロンとしながらふと思ったことがありました。

     蛾と蝶の違いはなんだろう?

     蛾を指に乗せたりしないなぁ・・・。

 

     次の朝のトネリコのシマケンモン達は、鉢の周りにたくさんの立派な

     存在感抜群の排泄物を落としていました。2年間育てて1m程に生長

     したトネリコが食い荒らされてしまうことよりも、シマケンモンが

     たくさん食べた証の物を見て嬉しく思う気持ちが強くなりました。

     シマケンモン達をどうにかしようという気にはなれません。

     網戸を閉めようと思った時、ベランダの向こうに黒い蝶の姿を見まし

     た。アゲハに違いはなくはっきりした種類はわからないままでしたが、

     マンション7階の高さでアゲハを見たのは初めてでした。

     そしてまた、蛾と蝶の違いが気になり、シマケンモンの親ヤガも、

     7階の我が家のトネリコやオリーブを見つけて飛んで来たのだと思い

     ました。安全な場所で子育てしたかったのかもしれません。

     

     蛾と蝶の違いはなんだろう? 

 

 === 蝶は昼行性、蛾は夜行性、でも夜に飛ぶ蝶もいれば昼に飛ぶ蛾もいる。

     蝶は美しく蛾は醜いというイメージ、昼行性の蛾の中には蝶よりも

     美しいと思えるものが多く存在する。

     蝶は胴体が細く、蛾は胴体が太いと言われているが、胴体が太い蝶も

     いれば細い蛾もいる。

     蝶の触覚は先が膨らんだこん棒状、蛾の触覚は糸状・櫛状・羽毛状など

     蝶と同じ触覚を持つ蛾もいる。

     「日本に生息する蛾と蝶の一般的な違い」は例外が多く明確に区別する

     ことは難しい。

     蛾と蝶の遺伝子を調べると、蛾は明らかに蝶に近い種の方に遺伝子を

     持っている。

     英語では蝶butterfly・蛾moth、フランス語ドイツ語の多くの言語では

     蛾と蝶の区別はなく、ひとつの言葉で表現されている。

     蛾と蝶は同じ鱗翅目の昆虫生物学上でも区別されていない。===